長い一文を読みやすく書くコツ|新森&由実さん編【ライティング講座 その10】

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ライティング講座 その10は、長い一文を読みやすく書くコツです。

一般的な文章マニュアルでは、「長い一文は短く書きましょう」と指導していると思います。文章は長いと、係り受けが不明確になって、読みにくくなるからです。

しかし、短い一文ばかり書いていたら、いつまで経っても作文能力は向上しません。文豪の中には、長い一文で読みやすい文章を書く人が多いです。
たとえば、『人間失格』などでお馴染みの太宰治。太宰の文章は、一文が100文字~200文字のものが結構出てきますが、読みにくいどころかリズミカルで非常に読みやすいです。

では、どうして長い一文なのに読みやすいのでしょうか?答えは講座の中にあります。

今回の課題は、新森さん用に作ったものですが、積極的な由実さんもやりたいと言ってきたので、二人分載せています。

新森さんへの課題「長い一文を読みやすくする」

今回、ちょっと難しいことをやります。
長い一文を使った作文です。

作成条件

  • 一文を、文章を切らずに30字~100字で書くこと。
  • テーマは、スカッシュ体験について
  • 「、」は使って良い。
  • 期限は1週間以内。
  • 修飾語句を多く使うのがコツ。

例:スカッシュが下手な癖に偉そうな代表が、
「代表」に掛かる語句が修飾語句

新森さんの提出文

初めて参加したスカッシュでは、あらゆる方向にボールを跳ばしたり、サーブが当たらなかったりと、ラリーを続ける事が出来なかったので、次回はボールをよく見て相手に跳ね返せるようになりたいと思いました

夏川の回答・解説(新森さん編)

修正文

初めて参加したスカッシュでは、私は変な方向にボールを飛ばしたり、サーブで空振りしたりして、ラリーを続けることができなかったので、次回はボールをよく見て相手に打ち返せるようになりたいと思いました。

解説

細かいことですが、「跳ばしたり」は「飛ばしたり」ですね。また、「跳ね返せる」は「打ち返せる」の方が良いでしょう。
同音異義語は、辞書で確認する癖をつけてください。

さて、解説です。
いやー本当は文法的なミスを期待していましたが、間違いはありませんでした。

今回は視点の話をします。
視点をはっきりさせるために、修正文に(私は)を追加しています。

修正文をアレンジ

初めて参加したスカッシュでは、私は変な方向にボールを飛ばしたり、(私は)サーブで空振りしたりして、(私は)ラリーを続けることができなかったので、次回は(私は)ボールをよく見て相手に打ち返せるようになりたいと思いました。

一文の中では、視点は統一させます(新森さんの文章はOKです)。今回は、「私」視点ですが、第三者や神様の視点が混ざっているのはNGです。読みづらくなるからです。
以下の悪い例のような文章を書いている人は多いです。パッと見、おかしくないので、欠点に気づきにくいですので要注意です。

悪い例

初めて参加したスカッシュでは、私が変な方向にボールを飛ばしたり、サーブで空振りしたりして、由実さんがラリーを続けることができなかったので、次回は(私は)ボールをよく見て相手に打ち返せるようになりたいと思いました。

新森さんの返信

悪い例では途中で
「由実さんが」と入ることでラリーが続かなかった原因が私なのか、由実さんなのか分からなくなることですね(なるほど)

夏川の返信

その通りです。読者が混乱するんです。
日本語は主語を省略することが多いので、視点があっちこっちに揺れるのは好ましくありません。

由実さんへの課題「長い一文を読みやすくする」

由実さん編ですが、作成条件は新森さんと同じです。

作成条件

・一文を、文章を切らずに30字~100字で書くこと。
・テーマは、スカッシュ体験について。
・「、」は使って良い。
・期限は1週間以内。
・修飾語句を多く使うのがコツ。
例、スカッシュが下手な癖に偉そうな代表が、
「代表」に掛かる語句が修飾語句

新森さんへの作成条件

由実さんの提出文

前回のスカッシュ会で、最初に必要とされる” ボールを温めるためのラリー” を初めて体験し、ボールの温度や弾み方が徐々に変化していく様を体感でき、このラリーの必要性を知ることができました。

夏川の回答・解説(由実さん編)

修正文

最初に必要とされる「ボールを温めるためのラリー」を前回のスカッシュ会で初めて経験し、徐々に変化していくボールの温度や弾み方を体感して、(この)ラリーの必要性を理解しました。

解説

語順について

日本語にも語順があります。
長い修飾語句から並べていくと、係り受けが明確になるので読みやすくなります。
①最初に必要とされる「ボールを温めるためのラリー」を
②前回のスカッシュ会で
③初めて
すべて「体験」に掛かる修飾語句で、①②③の長い順に並べます。ちなみに英語は逆で、短い修飾語句から並べます。

日本語の語順について詳しく知りたい人は、関連記事を参照してください。

「 」と” “

日本語の場合は、「 」を使います。
” “は英語です。
暗黙のルールです。

視点の揺れについて

新森さんのところで解説しましたので割愛します。

指示代名詞について

「このラリー」の「この」を取ると、文章がかっこ良くなります。あと、「そして」「しかし」などの接続語も可能な限り省略した方が良いでしょう!
昔からある文章テクです。

その他

「体験」「体感」ですが、音が似ているので「体験」を「経験」にしました。同じ音が続かないようにします。語尾に変化をつけるのも同じ理由です。

類語辞典を使いましょう。
現在は便利な時代で、ネットで検索すれば出てきます。

由実さんの返信

ありがとうございます^ ^

長い修飾語句から並べていく語順!初めて知りました!
自分で作成した文にモヤモヤしていましたが、あは体験みたいに、すっきりしました∑(゚Д゚)
分かりやすいです!
自然に使いこなせるようになるとカッコ良いです。頑張ります。

指示代名詞や接続語、省略するとスマートになるんですね。不安症でついつい入れてしまいそうになりますが、省略できそうな時はやってみます( ̄^ ̄)ゞ

体験、体感、ラップみたいだな、と思っていました笑
類語辞典、活用します^ ^

分かりやすい解説、ありがとうございます\(^o^)/
教えいただいたことを、普段から気にしてみたいと思います( ̄^ ̄)ゞ
あ、あと、""、仕事でも使っていました。。。
全く気にしていなかったので、指摘していただいて良かったです;^_^A

まとめ(長い一文を読みやすくするには)

ルール1:一文内では、視点を揺らさないこと。
ルール2:修飾語句は長いものから順番に並べること。

長い一文は、ちょっと気をつかうだけでかなり読みやすくなります。文章にはメリハリが大事で、ハードボイルド調の短い一文を重ねて使うと逆に読みにくくなることがあります。

バランス良く使うことが大事です。

次の講座は以下のリンクへ!

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